【大学生必見】学位取得までの進捗・履修登録をJIRAで管理する
大学の単位取得をプロジェクトマネジメントの視点で取り扱う
大学・大学院は人生における大きなプロジェクトだ。JIRAで履修の混乱を回避しよう。これから大学や、単位制の教育機関に入学する人、忙しい社会人学生に超おすすめしたい。ここに記載されている内容はほぼ無料で実施できる。
なお、この記事の内容は一部小難しいところがあるのでわからないところは適宜調べてほしい。バージョン変更などで仕様が変わってしまい、致命的な箇所が整合性とれなくなる場合があるからだ。筆者はエンジニアだが、エンジニア的な知識はほぼいらないように感じる。あるとかなりプラス!
Project Managementの考え方を大学の履修や課題に当てれば、余裕をもったスケジューリングで、入学前に抱いている幻想(意味深)により近い学生生活を送れるだろう。
出典:Wikipedia プロジェクトマネジメント - Wikipedia
プロジェクトマネジメント(英語: project management、プロジェクト管理)とは、プロジェクトを成功に導くための総合的な管理手法のことで、スケジュール、人員、資金、物的資源などの管理を含む
またテクノロジーのつまみ食い。ただ、今回はメチャクチャ役に立つ。正直、入学時に知っておきたかった。合格通知をもらって「春から○○(任意の教育機関名)」とかツイートするより先に、この記事の内容を確認してほしい。
履修管理の重要性
自分の成績やGPAを把握したり、受講済みの授業や受講したい授業の履修要件を把握したりすることはアカデミックな成功において大きな意味を持つ。
自分の学びたいことを順調に学べるようにするべきだ。履修を管理できていないと、土壇場でいろいろ把握する時間を使い、行き当たりばったり、予想外の対応が増えて困ってしまったり、間違った授業のとり方をしたりするかもしれない。履修管理は学生生活に余裕を持たせるうえで非常に重要だ。
履修登録のダルさは異常
めんどくさがりの筆者は環境が整っていないと全部心理的ハードルを感じてしまう。履修登録はめんどくさい。いろいろな障壁がある。大学側も複雑さは理解しているのか、ホームページから単位取得状況は出力できるようにしているが、いかんせん見づらくて仕方がない。
ダルすぎる。それが転じて、どんどん管理もダルくなって卒業要件をクリアできず留年につながる人だっているかもしれない。履修要件を放置していて、気づいたら「あれ、この授業取れないじゃん!」なんてことも有るかもしれない。(かもしれない)
環境がないなら作ればよいのだよ(強者風)。
履修管理のダルさも異常
履修管理のダルさも異常。履修登録や単位取得状況の確認がわかりやすくデザインしつくされている教育機関に所属しているならラッキー。正直筆者も比較的ラッキーな方な気がする。でもやっぱ、履修管理はダルい。
単位取得状況の確認(PDFファイル)と授業の履修要件(弊学Webページ)を確認するプラットフォームが分断されているからだ。どこか、どこかで一か所でまとめて確認できないか探し回ったが、やはり大学備え付けのページでそんなものはなかった。
自分で言うのも何だが、忙しいのだ。平日は正社員として9時18時の仕事をしているし、何なら残業・副業だってある。勉強もしたい。こんなことに時間を割いてなどいられない!
今回はその管理を楽にするためのプラットフォーム、JIRAとその簡単な使い方を紹介する。これで履修管理の環境を整えられる。
発端・背景
父に「大学の学費の費用を考えたいので必要な単位数や履修予定の授業など全部Excelでよこしてくれ」 と言われたのが今回の発端。さすがにExcelはアホ臭い。 Excelだと共同編集しづらかったり、仮にできても自分からフォーマットを作ったりするのは骨が折れる。
あくまでもExcelが向いているのは「その時点でのデータの保存」であって、変化に対する柔軟性はあまりない(ように感じる)。
大学の学位・授業の特徴
- 120単位で卒業できる(ゴールが数値化されている)
- 授業によっては履修要件がある (授業同士で依存関係がある)
- 履修登録後、授業の期日がある程度予測できる。(有期性がある)
上記からわかるように、シンプルなスプレッドシートでは進捗具合がわかりにくい。また、自分が取りたい授業をどうとったらよいのかわからない。
学位取得という目標において、有期性があり、かつ数値化されていて、課題の依存関係がある点はプロジェクトマネジメントの話で紹介されていた。
今回は大学の学位取得をプロジェクトととらえ、授業を課題・タスクとして取り扱う。その課題の結果として得られるもの、単位を成果物とする。成果物を集積し、数値が120(筆者の場合)になればプロジェクトは終了する。
JIRAだ、JIRAはすべてを解決する!
そこで。そこでだ。 大学の学位取得までのプロセスはプロジェクトマネジメントツールを使って管理してやればよいのでは!?と気づいた。
すでにAtlassianのアカウントはあったのでJIRAを使用することにした。同じ会社のツール、Trelloはすでに使用しているので連携が楽そう。
メリット:
- 変化に対応しやすい
- タスクの依存関係がワンクリックで見れる
今回は学位取得の進捗管理をJIRAで解決したい。
JIRAのURL Jira | Issue & Project Tracking Software | Atlassian
JIRAとは?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
JIRA(ジラ)はアトラシアンが開発した企業向けプロプライエタリソフトウェアであり、主にバグトラッキングや課題管理、プロジェクト管理に用いられる。JIRAはパブリックオープンソースプロジェクトで広く使用されており、また122カ国25,000以上の顧客により使用されている。
要するに、やること・長期目標の管理をするためのツールだ。
学位取得用Projectのセットアップ
CreateProjectのボタンを押し、Projectを作成する。 大学院も行きたいので、一応タイトルは"Academic Career"にした。
授業のIssueTypeを作成
まずはBlank Project Managementを選択する。もちろんTeam Managed Projectを選択する。
Project Settings > Issue Types から新しいIssue Typeを作成する。今回定めたのは以下の点だ。 Type名:Course
必須項目:
- 授業名(あとで変更可能)
- 授業説明
- 単位数(デフォルトは3)
- 達成する履修要件ID
後から更新する項目
- 授業開始日(EST)
- 授業終了日(EST)
- 最終成績
- 最終成績の百分率
- 授業のタイムゾーン(デフォルトはEST, Maryland U.S.)
- 授業のホームページのURL
あとは必要に応じて依存関係(履修要件)を加えればよい。技術資格で履修が免除され、単位取得できる場合もあるので、先に入力しすぎないようにしている。
Workflowを設定する
ここは少し難しい。だが、直観的になっているので大丈夫。わかんなかったら公式ドキュメントが基本正しい!
Issue TypeのEdit Workflowをクリック。今回は正直設定することがほとんどないが、タスクのプロセスをルール化・自動化できる。
イメージとしてはCourseのissueを作成した時、UPCOMING COURSESのステータスに移る。その後、プロセスに応じてステータスを変化させるイメージ。
授業issueをひたすら作成!
今回は入学後2年経過した時点で作成するので、まずは履修が済んだものを作成していく。
その後、卒業要件を確認しながら授業名を入力する。
次に、今後履修予定の授業を入力していく。 Cybersecurity & Computer Networksに関する学位取得要件の授業リストを参照にしながら、入力!
授業の依存関係を入力する
授業をひたすら入力し終えたら、次は履修要件を入力する。 今回は無料版なのでLink機能を使う。
- この授業Aは授業Bの履修要件である: B is blocked by A
- この授業Bは授業Aと関連している: B is related to A (Vice versa)
この例でいうと、Advanced Technical Writingの授業はAcademic Writing I とAcademic Writing IIによってBlockされている。
うーん、わかりやすい(棒)
とりあえず、取りたいと思った授業のIssueを確認して、今すぐその授業をとれるようになるか明白になるわけ。たのもしいぜ。
まだ運用を長期間行えていないので、そこはまた今度。これを見て真似しようと思った人は、どんどんJIRAのいろんなところをクリックしてまだ知らない機能を見つけていってほしい。
若干満足いっていない点
- プロジェクトの依存関係が学期の間の休みを考慮すると見づらい
- Timeline Viewの期間が2年間くらいしかないので、3年以上のプロジェクトだと俯瞰しづらい(筆者の場合卒業まで5年くらい時間かかる)
ロードマップ
- RequirementsのIssueTypeを作って紐づける。
- JIRAが便利すぎるからってなんでもできるわけじゃないし、筆者の彼女が24時間7日、365日JIRAの魅力について聞きたいわけじゃないことを理解する。
- JIRAを業務で使ってみる
- 一部自動化をする
- ステータス変更の要件をつくる(成績が入力されていなければDoneにできない、など)